長崎県壱岐島沖で患者や医師ら6人を乗せた医療搬送用ヘリコプターが転覆して見つかり、搭乗の患者ら3人が死亡した事故で、国土交通省は2日、ヘリの後部で回転翼を制御する「コントロールロッド」と呼ばれる部品の一部が破断していたと発表した。事故原因を調査している運輸安全委員会から情報提供を受け、同省が同日、同型のヘリの所有者に対し、不具合がないか点検するよう指示した。
国交省によると、ヘリを横方向に動かすための回転翼を制御するロッドの一部が破断していたという。事故との直接の原因は不明。同省は、同型機の所有者に点検したうえで国への報告を求めた。
事故では、ヘリに乗っていた患者の本石ミツ子さん(86)、付き添いの息子の和吉さん(68)、医師の荒川渓さん(34)が死亡した。運輸安全委員会などによると、事故機は右に傾いた状態で着水した可能性があるという。事故機はヘリを運航するエス・ジー・シー佐賀航空(佐賀市)が専門業者に依頼して回収し、運輸安全委が事故原因を調べている。